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ドラッグ統制の始まりついて⑥(日本と覚醒剤)

皆様こんばんは。

ドラッグ統制についてお伝えしています。

何か目的を達成しようと思い立った時にどのような「動機」を持つかが非常に重要になると思います。その動機はポジティブなもので、社会福祉に関連するものであれば、自身やその対象が幸福で健やかになれるような動機を持ち、対策や目的立ててそれを達成していく事で、対象となる人の健康や幸福が実現出来ると思います。

ですが、それが差別や偏見に基づく社会的排除を目的とするものである場合は、その結果は幸福とは程遠くなってしまうのではないでしょうか。

前回までお伝えしてきましたが、ドラッグ統制の始まりには、必ず「外部からもたらされる存在」が関係しています。(中国人移民、メキシコ移民)その外部から来た存在を排除するきっかけとなった行為がドラッグの使用でした。

日本でも、本来は密売者が売買するために所持しているのを迅速に摘発する為に覚醒剤取締法にその取締を強化する事を盛り込んだのですが、なぜ現在のような使用者が厳しく取り締まられるようになったのでしょうか。

1954(昭和29)年に起きた覚醒剤使用者による小学生女子の殺人事件を契機に、その事件が覚醒剤使用による精神異常によるものだという見方になり、マスメディアが報じるようになった事で、この時期より犯罪を犯した人物が、その事件を起こした原因は、自身の性格にあるのではなく覚醒剤使用による中毒症状により起こったのだという語りが出来るようになっていったのです。(覚醒剤=精神異常者の図式が成立)

もう一つの原因として挙げられるのは、反共産主義運動との関わりです。GHQによって占領統治されていたこの時代、1949(昭和24)年に成立した共産主義国家である中華人民共和国との緊張を基礎に、1950(昭和25)年にダグラス・マッカーサーよって、公職からの共産主義者の追放が命じられたのです。

また、この年に朝鮮戦争が始まり、中国と北朝鮮が日本に攻勢を仕掛けていると考えられました。
この時期に日本各地で大規模な反政府デモが展開され、多くの逮捕者が出ています。この事を政府や議会が共産主義勢力に煽動されたものと見立て、その勢力の資金源が覚醒剤の密売による資金稼ぎと、覚醒剤そのものによる日本への攻撃です。

このように結びつけていく事で、覚醒剤と在日朝鮮人の関係が当然のことのように理解されていきました。

参考文献:佐藤哲彦著「ドラッグの社会学」世界思想社2008年

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