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ドラッグの国内統制の始まりについて③(アメリカ)

皆様こんばんは。9月がもう終わろうとしていますね。

さて、現代では使用統制が強化され麻薬取締法などで厳しく処罰されるようになっていますが、それは日本の場合だと1960年以降であり、それまでは取り締まりの対象ではありませんでした。

今日は多くの国に先立って麻薬使用禁止したアメリカの同行について概観していきます。

アメリカでアヘン系のドラッグがアディクション問題として指摘されていましたが、この時期はモルヒネなどの輸入は少なく、アヘンチンキが主流でした。
このアヘンチンキのアディクションに有効とされたものがモルヒネで、1970年よりアメリカで流行し始めます。(ヘロインのアディクション治療にメサドンを使用するように)ですが、この頃はモルヒネにアディクション問題があるとは捉えられていなくて、
同時期にイギリスでモルヒネアディクション形成が問題視されていきます。

しかしアメリカで主にモルヒネを使用していたのが中産階級の白人女性だったため、悪徳という見方と病気であるという視点が混在しており、全面禁止までには至っていませんでした。

後に禁止されていくのですが、やはり原因の元となったのは、中国人移民労働者の使用の問題と、その中国人労働者と白人女性の性的な接触が関連しより問題視されていきます。

少し遡ると1875年のサンフランシスコではアヘンの喫煙行為が違法とはなっていました。
ですが、実質的にドラッグ使用を禁止したのは、1914年のハリソン法です。
このハリソン方は現行のドラッグ政策の基礎と考えられるものであり、アヘン系ドラッグの使用が病気か悪徳かの狭間であった状態を「犯罪である」と規定したものです。

次にコカインですが、少し遅れながらもアヘン同様問題視されていきます。
もともとコカの葉の抽出物は鼻炎などの特効薬として、またはモルヒネやアルコールのアディクションの治療に使用されていました。

当時最も有名だったのは薬剤師が発案した「マリアーニワインです。ワインにコカの抽出物を入れた飲み物を薬局で提供していました。
そして皆様ご存知のコカコーラが発明されます。(1885年アトランタ)
以降コカコーラはコカではなくカフェインを入れて流通します。

これらの経緯から、コカの使用は薬剤師が治療の一貫としてその依存性を知らないまま使い始めたことがきっかけです。
有名な心理学者であるフロイトもアヘンのアディクションがありその治療でコカインを使用し更に依存性となり鼻に異変が生じて形成手術を行ったそうです。

この後でコカインも犯罪化されていきますが、その根拠は南部のアメリカのアフリカ系の犯罪者達が使用し始めた事で問題視されていきます。

コカイン問題については薬剤師が中心となり薬剤師の地位向上運動の一貫として利用されたことと、アフリカ系の方達がその使用で暴力的になり性犯罪を犯した事を契機として違法化されていきます。

次回はマリファナについて見ていきます。

参考文献:佐藤哲彦著「ドラッグの社会学」世界思想社
2008年

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